LIVE REPORT
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Vol.10は、これまで好評だった「朗読」と「円形ステージ」をドッキングしちゃうという大胆なコラボ企画となった。
冒頭は、11/3文化の日にちなんで「文化度の高い順にメンバー紹介します」というBassスグルの絶妙(微妙?)なMCにより、ステージインするメンバー。
お客さん失笑の中、小さな愛から演奏が始まり、赤いバラ、生まれた街を遠く離れて、と続く。
まず、はじめの3曲を聴いての感想は、客席のど真ん中にステージを設置し周りをお客さんが囲って鑑賞するスタイルは、やはり「ステージ近い!」という印象でとても臨場感がある。
MCであつこが「けっこう緊張するね、(振り返ると)はぁ、いる~!みたいな…」と思わず言ってしまった様に、メンバー自身もその近さが良くも悪くも影響している様子。
続いて4曲目は、早くも今月の新曲コーナー。
「半径5メートル」と題されたその曲は、日常の身近な視点を取り入れた出来たてほやほやの歌詞に、イントロから全体を通してコード進行が印象的なミディアムロック調の曲。
アレンジによってはよりロックな感じに化けそうな、今後もいろいろと進化しそうな予感の曲であった。
そして、満を持しての朗読コーナーへ突入!
メンバーから「小劇場のアングラ感がある」とツッコミが入る通り、わざわざ朗読用のお立ち台が準備されピンスポットがあてられ、雰囲気も上々である。
トップバッターはコジマ。題材は「棒人間」(RADWIMPSの楽曲)、曲は「青ノ時代」。
一人称で語られる少し奇妙でおどけた内容に、常人とは違う何かを抱えて孤独に生きる人間の内面を見るようで、青ノ時代の題材になったピカソにも通ずるものがある。
二番手はあつこ。題材は「ビーチ」(雑誌のコラム)、曲は「僕の世界の全て」。
様々な男がビーチに向かう様を、女性であるあつこが朗読する事で客観性が生まれる。しかし、読み進むに連れてビーチについて熱く語り進める口調に思わず惹き込まれる。「僕の世界の全て」にも見事にマッチしていた。
三番手はスグル。題材は「星の王子様」、曲は「スパイカズ・スパンカー」。
前回も「星の王子様」を題材にしたにも関わらず、あえて前回使わなかった部分を採用する、というスグルの狙いは的中したか?!あつこが指摘した通りスグルの朴訥な声はまさに星の王子様の世界感にピッタリである。
ラストは亙。題材は「1949年クリスマスの朝」(ナショナルストーリープロジェクト)、曲は「ひかり」。
アメリカのラジオ番組にリスナーから投稿された実話で、幼い少女だった主人公が初めて体験する人に与える喜びを知った、とても心あたたまるお話。少女の父は辛い経験をしたからこそ人にやさしくできるのであろう。世知辛いこの世の中に”ひかり”が見えた瞬間だった。
前回も感じたが、ビードローズの楽曲にあてられたそれぞれの朗読は、曲の世界観をさらに広げてくれ、より想像力が駆り立てられると再確認。
昼間からじっくりまったりと楽しませてくれ、まさに文化の日にふさわしいコーナーであった。
再び円形ステージに戻り、恒例の生音コーナーでは、「君がいない」を披露。
ベース以外は生音の為、客席を自由に動き回るメンバーも心底楽しそうで、観客の手拍子も立派な楽器となり、会場が一体となった。
生音の君がいないは、疾走感がありながらもアコースティックならではの軽さがあり、本来の生声や楽器の音が心地よく聴こえ新鮮な魅力があった。
終盤戦に入り、「世界の終わり~Hallelujah~」「あいのうた」「October Weekend」「色とりどりの歌で」を披露し本編は終了。
アンコールでは、意外にも「Turn Right Star Light」を演奏、そして、「カリフォルニアのホテル」では、観客もあたたかい手拍子で盛り上がり幕を閉じた。
次回の月ど?は、いよいよ11回目の12月ということで、呑んで、語って、歌って…忘年会風にお届けしちゃうらしい?!
しかも、月イチで発表してきた新曲も全披露とのこと!
今年も1年ビードローズと共に駆け抜けて下さった皆さん(もちろん次回が初めてでも)今年の総括も込めて是非とも新横浜に集結しましょう~!!
SET LIST
1 小さな愛
2 赤いバラ
3 生まれた街を遠く離れて
4 半径5M(新曲)
(朗読コーナー)
5.コジマ朗読 : 青の時代
6.あつこ朗読: 僕の世界の全て
7.スグル朗読 : スパイカズ・スパンカー
8.ワタル朗読 : ひかり
(完全生音コーナー)
9 君がいない
10 世界の終り ハレルヤ
11 あいのうた
12 October Weekend
13 色とりどりの歌で
(アンコール)
1.Turn Right Star Light
2.カリフォルニアのホテル